日本の外に住むと、日本で食べるお米の美味しさを再発見し悲しくなると同時に、何かしらの努力であの美味しさに近づけないかと試行錯誤をしたくなります。特に玄米は日本でもおいしく炊くことが難しいことがあるので、外国であればなおさらです。このにおいは玄米の周りに付いている糠のにおいなのですが、特に前処理をせず炊いた非常にパサパサとしたもっちり感のない炊きあがりになり、日本人としては実に物足りない気持ちにもなります。このにおいと食感の違和感は、少しの手間(と結構長めの時間)をかけるだけで取り除くことができるのでご紹介します。
材料 | 分量 |
---|---|
玄米 | 炊く分だけ |
熱湯 | たくさん |
水(軟水) | 玄米の1.1〜1.2倍の量 |
天然塩 | ひとつまみ |
料理酒 | 10ml |
材料はいたってシンプルです。やり方も何か特別な方法ということはなく、表面についている糠を徹底的に落とし、熱湯に浸水することでもっちり艶やかな炊きあがりに仕上げるという方法です。手間と時間がかかるので少し面倒ではありますが、安いヨーロッパ産の短粒米(Short Grain Rice)の玄米が手に入った際は、ぜひお試しください。
- 玄米をボールの中で米と米がなるべく擦れ合うように研ぎます。手のひらで擦り合わせるように研いだり、ザルを利用して網目に擦り付けたりして、なるべく強く荒く研ぎます。これを水の濁りがなくなるまでやります。(糠の付き具合によりますが、場合によってはかなり時間がかかります。)
- ある程度水の濁りがなくなったらザルにあげて水気を切り、炊飯器や圧力鍋などご飯を炊く器の中に玄米を入れ、入るだけ熱湯を注ぎ蓋をして数時間放置。時間がない場合は、1時間ほど放置して工程4に進んでください。
- 2〜3時間経ったら炊飯器を開けてお湯を捨てます(やけどに注意)。水を注いで優しくかき回しながらすすぎ、2、3回程度繰り返したら、炊飯器に戻して工程2と同じように熱湯を注ぎ蓋をし、炊き始めの時間まで放置します。
- 炊き始める時間になったら熱湯を捨て、水を注ぎ優しくかき混ぜてから一度ザルに上げて水を切ってくdさい。
- 炊飯器などに酒を10ml程度入れます(目分量でも大丈夫)。炊飯器に玄米用のメモリがある場合は玄米を炊飯器に戻して、メモリまで水を注ぎます。メモリがない場合や圧力鍋や土鍋などで炊く場合は、玄米のカップ数に対して1.1〜1.2倍の水を注ぎ、最後に天然塩をひとつまみ加えます。(調理環境によって程よい水の量が変わりますので、ご自宅の環境に合わせて色々試してみてください。)
- いつも通り炊き、おいしくいただいてください。
材料は海外でも比較的手に入りやすいので難しくはないと思います。この方法で手間ひまをかけて炊くと、まるで日本で買った玄米のようになるので幸せになれます。私は玄米に中華スーパーで買った小豆や大豆を混ぜて炊いたりして楽しんでいます。お時間があるときに、ぜひ試してみてください。