イギリスの山菜採り(Foraging)

子供の時から山菜が大好きでよく食べていました。春になるとスーパーでも山菜が売っていたり、今だとネットでも気軽に買えたりして、日本にいた時は春は山菜を頻繁に食べていました。

イギリスと日本の山菜採りの違い

イギリス人も自然大好きで、特に地方に住んでいると森林を歩いたり、農園などを訪れたりすることが一大レジャーになっています。近年は有名シェフなどが料理に取り入れたりすることで、山菜採りにも人気が出ています。ちなみにイギリスでは主に、ブラックベリーなどのベリー類を摘んでジャムにしたり、エルダーフラワーの花を集めてコーディアルと呼ばれるシロップのようなものを作ったり、ワイルドガーリックというニラのような草でパスタペーストを作ったりと、日本とは違った楽しみ方をします。また、草木の新芽や花などをサラダの中に混ぜて、春の香りを楽しんだりするのもイギリスらしいと言えます。

イギリスで山菜採りをするにあたり、本をかったりネットで調べたりしてみましたが、食文化の違いからか食べる山菜の違いが大きいことに気がつきました。例えば、日本だと天ぷらや炒め物などの高温調理が多いことから、少し歯応えのある木芽や苦味やアクの強い山菜も採って食べますが、イギリスではサラダにしたりすることが多いようで、素材そのものの味を楽しめる苦味の少なめな柔らかい草木の新芽を好むようです。また、日本では非常に一般的でもイギリスでは毒性があると思われている物もあるようです。ワラビなどはイギリス各地でそこら中に生えていますが、食べられると知っている人は少ないようです。こういう違いから、イギリスで本などになっている山菜採りは、どちらかというと雑草をいかにサラダで食べるかや、果実や花でシロップやジャムなどを作るような内容がほとんどです。

個人的にはコシアブラやタラの芽、フキノトウを天ぷらで食べるのが好きなので、そういった山菜が食べたいところですが、こちらにはそのような文化がないため情報がないのです。なので、手探りで自分の好みの山菜(雑草)を探してみたいと思います。

イギリスで山菜を採る場合の注意点

山菜採りは日本と同様にルールがいくつかあります。

  • 私有地では所有者の許可を得て採取をする
  • 国立公園などの保護地では採取をしない
  • 採取する場合は、生態系に影響を与えないように自分が使う分だけを採る
  • 商用での採取はしない

また安全のためにも準備も大事です

  • 手袋、ハサミ、袋を携帯する(イギリスはトゲがある植物が多いです)
  • 事前にある程度予習をし、危険な植物などを理解しておく
  • 歩きやすい靴、服装
  • 足場が弱い場所、滑りやすい場所などもあるので周囲に注意する
  • 本やアプリなどを携行し、採取する植物を確認できるようにする
  • 100%食べて大丈夫と言い切れない場合は食べない

どこでできるか

残念ながら、ここなら確実ですと言った場所はなく、常識も範囲内で自分の責任で決めることになります。上記のように、私有地、国立公園や保護区などはできません。私は義実家の庭や、Woods、Heath、Commonと呼ばれる地元の役所が管理しているような、誰でも歩いて良い雑木林や野原で採取をすることが多いです。

法律的な根拠で言うと「Wildlife and Countryside Act 1981」という法律があり、Common land(共有地)と言われる土地で、個人で使用する分の4F(Fruit、Foliage、Flora、Fungusの略)であれば採取して良いということになっています。Common landは定義が非常に複雑でわかりにくいのですが、複数の所有者がいる土地や地方の役所が管理している土地といったニュアンスのようです。また、それぞれの地方自治体によってルールが異なるようなので、お住まいの地域の情報を確認してみるのが良いかもしれません。(とくにイギリスではEngland、Scotland、Wales、Northern Irelandでもルールが大きく異なるので、注意が必要です。)

今までにみつけた山菜